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仏像展に行ってきました。
上野の国立博物館で開催されている、一木彫の仏像展に行ってきました。平日にも拘らず、混んでいましたねえ。

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詳しい説明はHPに載っていますので、私は感想を書いていこうと思うのですが… それにしても、仏さんってそれぞれ生きていらっしゃるんですね。性格というか、人格というか、魂というか、とにかく生きておわす。それを如実に感じました。

不思議なのは、それぞれの仏さんをじっと凝視していると、その雰囲気というか、そういうものが伝わってくること。自分の心の中に仏さんが甦ってくる感覚があります。その穏やかさ、平和さ。邪を許さぬ気迫。己を見つめる厳しさ。包み込む慈悲。そういう仏さんを彫り込んだ仏師の技術というのはすごいものですね。

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写真は、向源寺(滋賀県)の十一面観音菩薩立像。この仏様は素晴らしかった。穏やかな表情に細かい彫り込み。均整のとれたスタイル。よく木づくりでこんなに表現できたものですねえ。ちなみに写真は絵葉書から撮ったものですが。

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この仏像は最初ぎょっとしましたけどね。京都は西住寺の宝誌和尚立像。なんでも、中国南北朝時代のお坊さんということで、自分の顔が割れると出てきたのは観音菩薩さんということです。化身だった、ということなのでしょう。

仏教では、すべての人の内には仏性が秘められている、と言います。その仏性を開顕するかどうかは本人次第。仏性を開顕させていくのが日々の行ということになるのでしょう。

では、仏性とはなにか? これは、私はまだはっきりとは言えません。定義もさまざまあるでしょうが、私は、一つには端的に無私の愛なのではないかと思っています。それが一人一人の中に宿っている。

ある宗教家(アメリカ人ですが)は、愛は与えれば与えるほど大きくなっていくと言っています。そして自分に返ってくる。その人に限らず、古今東西の宗教家や偉人も言っていますけどね。普段我々は―とくに私は、かな?―もっともっとと「与えられる愛」を求めてしまうもの。それが「苦」の大きな原因の一つでもある。ところが、逆説的に、愛が欲しければ与えればいい。そうすれば愛が返ってくる。

さらには、「返ってくる愛」を期待しないで愛を与えるのならば、もっと大きな愛が返ってくるのでしょう。おもしろいものですね。

ところで、この和尚像なんですが、よく見ると彫った跡が残されているんです。鉈彫(なたぼり)っていうらしいんですけどね。これは、解説によると仏像というのは霊木とされている木から彫りだすらしいのですが、その霊木に宿っている仏さんが浮かび上がってくるその瞬間を捉えたものだとか。

先日NHKで放映していた美術家の解説では、目に見えない仏さんが目に見えてくる形に表れてくる、その化現(けげん)の瞬間なんだって言っていました。なるほどね、そう言われると動的な迫力が感じられてきます。

おもしろいのは、この鉈彫っていうのは東国特有なのだそうです。関西ではあまり見かけないらしい。

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この写真は、円空さんの三尊像です。中央は十一面観音さん。この表情がいいですね。木喰さんの仏像も展示されていたのですが、個人的には円空さんに魅かれました。この表情がとても好きなんです。やわらかくて暖かい。

アフガニスタンなど中央アジアなどでは、仏像がイスラム教の禁じる「偶像崇拝」に該当するとみなされるんですかね、破壊活動が一部で行われてきました。とても残念なことです。また、キリスト教の一部でも、偶像崇拝という捉え方で仏像を忌避することもあるそうです。

しかし、単純に仏像が被造物の神格化といういうと、そうとも言えないと思います。仏像というのは、ある意味では人の心にあるもの、もっと言えばその心の奥底にあるものを擬人化したものと言えるのではないでしょうか。だから、仏像を見つめ、対話することによって、自分の心の中にある仏性が開顕していくのだと思います。仏像として仏さんと対面するというのは、つまりは自分自身との対話に他ならないのではないでしょうか。尊像を通して自分の心を見つめる。そして磨いていく。そのプロセスが大切なのだと思います。

ところで、国立博物館の別館では他の企画も展示されていました。

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写楽のコレクションもありましたね。

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この水指、いいですねえ。高取焼で、黄釉沙金袋水指というらしいです。

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これは、長次郎作の黒楽焼茶碗。銘に尼寺とありました。

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この蒔絵を施した硯箱も綺麗でした。「御所車蒔絵硯箱」と書いてありました。

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その他にも掛け軸だの屏風絵だのたくさんあって、とても一日では見切れませんでしたね。ゆっくり見てまわりたいものです。

同じ敷地の中にある表慶館という建物の改修が終わったそうです。

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さすがにこちらもゆっくり見る暇なく、帰りましたが…。

仏さんの世界を垣間見せてくれた一日でした。
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【2006/11/28 18:17 】 | 未分類 | コメント(4) | トラックバック(0) | page top↑
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